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特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

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会報連載記事

食育について(9) 香川県綾南町立滝宮小学校の実践事例

香川県綾歌郡綾南町町長 藤井賢

「食」がつくる「人づくり」「地域づくり」

毎年夏が来ると夕方に各自治会、団体組織等に招かれ出かけることが多くなります。郷土料理の「どじょう汁」であります。

内容を紹介しますと、「うどん」と季節の野菜類(里芋、人参、なす、ごぼう、長ねぎ)、あげ、豆腐と「どじょう」を味噌味で大きな平釜(一つの釜で約30人分)で炊き上げるのであります。

この「どじょう汁」は、家庭料理ではありません。言うなれば「地域料理」であります。昔から、6月に田植えが終り、農作業が一段落すると、集落の寄り合い等、何かの行事等に合わせて作られ大勢で食されてきたもので、夏バテ防止の料理としても親しまれております。

今はこれらに使う材料はスーパーマーケットに行けばすべて揃います。(「どじょう」は地域限定で販売されています。)しかし、今も野菜につきましては自家栽培されたものを使って作るところが多いのであります。また、近年に讃岐うどんの材料であります小麦にも新品種である「讃岐の夢2000」が開発され、わが町におきましても栽培が盛んであり、地元で栽培されたものを使った郷土料理となっております。

この「どじょう汁」でありますが、大きな目的をもっております。それは自治会、各種団体・組織の「親睦」を図ることを一番の目的としているものであります。この「どじょう汁を何日に作ろう」という話になると、知らず知らずの内に、食する当日の段取りや各自の役割が決まり大勢の協働した作業により作り上げられていきます。

食するについても、作った者、招かれた者も共に大勢で賑やかに食するもので、自然と打ち解けた雰囲気となり、「人と人」「人と地域」を結ぶ大きな役割を果たしていると思います。

地域におけます食文化を、健康で生き生きと生活していくためにも、また、人と人とのつながりある生活をしていくためにも、私どもは先人の智恵を次の世代へ伝えていかなければならないと思います。

綾南町におきましては、小学校の教育の場から子供たちが作る「弁当の日」の実践をもって食育に取り組んでおります。

町におきましても、「笑顔あふれる町りょうなん」を目標に各種の施策の展開をしておりますが、「まちづくり」の基本は「人づくり」であります。

高齢者福祉施策の一つに、75歳以上の一人暮らし老人や高齢者のみの世帯へお弁当を月1回届ける給食サービス事業があります。この給食サービスは町婦人会が地域の食材、旬の食材を使って作り届けます。弁当は言うまでも無く大変好評でありますが、この弁当には、この弁当を作った婦人会の方、家まで配達してくれるボランティアの方の顔、思いがこの弁当にあると思います。「弁当」の内容以上に「人」と「人」との?がりが、「人」と「地域」の?がりができているように思います。

食する物をつくる人、食する人がそれぞれの視点で「食」を考えることが、食を通して「健康づくり」や「人づくり」「家庭づくり」「地域づくり」等に?がるもので、誰もが住みなれた地域で、心豊かに生活していける環境をつくることがこれからの行政の役割ではないかと考えております。これらへの取組みは行政だけでできるものではなく、「町民同士」「町民と行政」が協働した取り組みで築き上げるものと考えております。

今年も10月になり、秋らしい時候になりましたが、「どじょう汁」へのお誘いがまだ続きますが、地域の人々との出会いを楽しみに出かけていくこの頃であります。

次号へつづく