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特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

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会報連載記事

フェアトレード(25) フェアトレードとの出会い

風の里 高江洲あやの

私がフェアトレードショップを始めたきっかけは些細なことですが、今振り返ってみれば、この島に生まれ育った故の必然だったという気がします。

運動・活動など何も知らず内気で人前に出ることが苦手な専業主婦。そんな私が、この島にこれ以上新たな米軍基地は造らせないと、必死の思いだけで動き始めたのが97年、名護市民投票前の11月。基地建設反対の投票が多数で勝利。「止められる」と思いきや、翌年の市長選で敗北。基地受け入れ宣言がなされ、活動の継続を余儀なくされていきました。動き出してみると、今まで縁のなかったさまざまな方との出会いがあり、その中で政治や経済のことなど他人事のように疎かった私が、たくさんのことを学ばせてもらいました。

しかし、行動や集会に参加する人々が、いつも同じ顔ぶれになってしまうことに疑問を抱くようになり、どうしたらもっと一般市民の参加を促せられるのかと、考えるようになりました。そこで、特別な問題意識を持たない人にも関心を持ってもらえるようなキッカケを作り、わかりやすく伝えていけるような場を創ろうと、小さなカフェを始めたのが99年の3月でした。

そのとき、知り合いからフェアトレードの通販カタログをいただいたのがそもそもの始まりですが、お店を維持していくだけでも大変な経営状態では、フェアトレードのオーガニックコーヒー、紅茶をメニューに加え、わずかなコーナーでアクセサリーなどの小物を少々販売し、まれにカタログ注文の取り寄せ販売をするぐらいが精一杯の状況でした。

そのような運営の中、ショップを立ち上げるまでに私を突き動かしたのは、オーガニックコットンの特集記事でした。通常のコットン畑では、毒性の強い農薬や化学肥料が大量に使用されていることは容易に想像できましたが、まさか収穫のとき枯葉剤まで撒かれているとは考え及びませんでした。

ベトナム戦争の時、この島から飛び立った軍用機が枯葉剤を撒き散らしたゆえの悲惨な結果が、いまだ心の痛みとしてある私にしてみれば信じられない事でした。企業の利益最優先という体質があることは認識していましたが、これほどまでに生命を冒涜している現実にショックを受け、どうすればいいのか悩んだあげく、ショップオープンという運びになったしだいです。

日々、フェアトレードやお客様から学ぶことが多々あり、自分のやるべき課題として常に意識している平和、環境、人権などの問題に取り組む糸口のひとつが、そこにあることを確信するようになりました。

経営状況はいまだ順調とはいえませんが、家族の支えと応援のお陰で、確実に顧客も増えてきています。商品の販売を重点とせず、途上国の実情と生産者の置かれている状況や背景を理解してもらうことに接客のポイントを置き、同じ思いを共有できる仲間作りを進めてきたことが、ファン定着と販売促進に?がってきたと思っています。

やさしい暮らし、心地よい暮らしを提案したいという思いから、いつの間にかエコロジー関連の商品や食に関する本なども増えてきました。ゆったりとしたスペースでお茶を飲みながらDVDや資料を気軽に観たり、ゆんたく(おしゃべり)会を持ったり、同時にミニライブや個展なども開催できる創造と交流の空間創りを目指して「風の里」は、只今増改築の工事に突入しています。フェアトレードは、小さな生産者の自立を支援すると同時に、将来を見据えた平等な社会創りでもあるということを、より多くの人に理解してもらえるよう、取り組んでいきたいと思っています。

少数の支配者たちによって戦争が操られ、富が分配されている限りは、平和な世界を望むべくもなく、飢えて死ぬ子供たちを救うこともできず、地球環境は悪化の一途をたどり、人々の心はますます荒んで、人類の存続も危うくなっていくことでしょう。

今、私たちが本当に伝えなければならないことは、生命の尊さであり、人間の尊厳です。フェアトレードの原点がそこにある限り、現状を変えていく大いなる可能性のひとつがあると言えます。地球の生命連鎖のバランスを健全に保ちつつ、分かち合い、すべての人が豊かさを享受できるような、共に生きる社会が構築できますようにと夢見る毎日です。

「風の里」では併設したカフェの料理人を募集しています。
「美味しく、楽しく、ありがたく」玄米と野菜の料理が得意な人。連絡を待っています。
風の里高江洲あやの
〒901-1412 沖縄県南城市佐敷新里129
TEL:098-947-1187 FAX:098-947-1237
kazeno_sato@ybb.ne.jp

続く