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特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

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会報連載記事

フェアトレード(11) フェアトレードの推進に向けた試み

特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会クラフトリンク担当勝井裕美(かついひろみ)

◆クラフトリンク

〜人と人をつなぐフェアトレード〜
シャプラニール=市民による海外協力の会(以下、シャ プラニール)は1972年に創立された民間の海外協力団体です。バングラデシュとネパールを活動地とし、農村部の貧困層を対象とした相互扶助グループの支援や、都市部におけるストリートチルドレン支援など様々な海外協力活動を行っています。また、国内では講演会の他、中高生向けの体験型宿泊研修など、南北問題への理解を深めるための様々な活動を行っています。シャプラニールにとってのフェアトレード、クラフトリンク活動は経済的、社会的に困難な状況にある生産者の雇用抄出と生活向上を目指しています。顔と顔の見える関係を目指し、駐在員のいるバングラデシュとネパールからの商品のみを輸入、販売しています。

シャプラニールがフェアトレード活動を始めたのはバングラデシュで活動を開始してすぐの1974年です。ただ、始まりはフェアトレードという考えを基にした活動と言うよりも、目の前にいるバングラデシュの女性の収入向上が必要だと考えて始まった活動でした。当時、今以上にバングラデシュでの女性の社会的地位は慣習的に低く、家の外を自由に行動したり働いたりすることがたいへん困難でした。
そのため、1971年に終わったパキスタンからの独立戦争で働き手である男性を失った女性たちは、戦争によって深刻化した貧困に立ち向かおうにも仕事をすることができず、貧しさにあえでいました。そして、彼女たちの生活向上を目指し、バングラデシュの特産物であるジュート(黄麻)を使った手工芸品の手工芸品生産組合を作りました。最初だけは日本人が組合を取りまとめしましたが、すぐに現地の組合メンバーにリーダーを任せ、彼女たち自身で運営をしてもらうことにしました。自分たちの生活を自分たちでよくしていこうという意識と力を活かしてほしいと考えたからです。

現在、シャプラニールが取り扱っているフェアトレード商品は、現地の16の手工芸品団体(主にNGO)を通じて輸入しています。シャプラニールでは現地の手工芸品団体を生活向上のために頑張る生産者のために協働するパートナーと捉えています。現地の生産者の生活サイクルに十分配慮しつつ、手工芸品団体に対し気候が仕事に影響しやすく、交通や通信のインフラも十分でない中でどうしたら計画的な生産が可能か相談しながら発注しています。また、日本の色やデザインなどのマーケット情報、クレームを含めた顧客の声を伝え、団体自身の商品開発や団体運営の能力を支援しています。手工芸品団体が能力を高め、自立的に運営できるようにサポートすることは結果として生産者が継続的に仕事を得、収入を得ていけるようサポートしていると考えています。

また、自分たちのフェアトレードをクラフトリンク活動と呼んでいるように、クラフトを通じて現地の人々と日本に暮らす人々をつなげていきたいと考えています。そのために必要不可欠な団体とのコミュニケーションとサポートは現地に駐在員がいるシャプラニールならではのきめの細やかさで対応しています。例えば、団体の営業会議に出席してアドバイスしたり、シャプラニールのネットワークを活かして販売先を紹介したりしています。
取り扱う商品は現地の伝統的技術や素材を活かした手工芸品です。手工芸品生産は、教育の受ける機会のなかった生産者たちでも取り組みやすい仕事です。例えば、バングラデシュの伝統的刺?「ノクシカタ」は元々は着古したサリー(女性の1枚布の民族衣装)などを2〜3層に重ね刺し子を施して上掛けなどに使うために生まれた実用的な技術でした。母から娘へ受け継がれてきたこの技術を活かして、現在多くの女性が生活向上のためにノクシカタを生産しています。シャプラニールは伝統的なデザインを活かした商品を多く発注しています。

クラフトリンク活動は国内においては、いちばん身近な海外協力だと考えています。海外協力と言うと難しい感じがしますが、クラフトリンク活動でなら買い物という普段の暮らしの中に海外協力が取り込めるのではないでしょうか。シャプラニールでは年に2回、カタログを発行し無料配布しています。2004年1月からは楽天市場にCraftLink南風" の店名で出店し、フェアトレードにこれまで関心のなかった人々にも出会えるようになりました。また、買うだけでなく、販売することでも海外協力に参加してもらおうと学校の文化祭や地域のイベントでのバザー委託販売を勧めており、多くのボランティアの方々が参加しています。これら市民の活動が広がって海外協力の輪が広がっていってほしいと考えています。
クラフトリンク活動を通じて、多くの人がバングラデシュやネパールといった南の国々に関心を持ち、生産者の暮らしや文化に想いを馳せてほしいと思います。それが、いつかは貧困や差別のない世界へと変えていくのではないでしょうか。

次号へつづく