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特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

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会報連載記事

フェアトレード(8) NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの活動

NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局 北澤肯

日本国内でのフェアトレード・ラベルの普及のための広報活動、取引の監査、販売促進の支援は「特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン」が行っています。またフェアトレード市場は欧米に偏って存在しているため、フェアトレードに参加できる生産者も歴史的、地理的に関係の深いアフリカと中南米に多く、残念ながらアジアにはあまりいません。当会は日本でのフェアトレード市場の拡大によって、より多くのアジア地域の生産者がフェアトレードに参加できるようにする大きな役割を担っています。

日本でのフェアトレード・ラベルの歴史は意外に古く、当会の前身である「トランスフェアージャパン」は、FLOの前身である「トランスフェアーインターナショナル」が1993年に創立された時からのメンバーです。「トランスフェアージャパン」が設立された1993年から5 年間はNGO「わかちあいプロジェクト」一団体が「第一コーヒー社」と「スタッセンジャパン社」の協力を受けてコーヒーと紅茶の販売を行ってきました。そして1999年になってやっと「ノヴァ社」が日本では二番目にフェアトレード製品(紅茶)の販売を始めました。

日本のフェアトレード史に大きな変化が訪れるのは2002年です。米国シアトルの本社の意向を受けた「スターバックス社」が一般市場では初めて、フェアトレードコーヒーの販売を始めました。続いて2003年には流通大手の「イオン社」がフェアトレードコーヒーの販売を開始しました。また同年「トーホー社」が、翌年の2004年には「小川珈琲社」「共和食品社」が同じくスーパーや専門店でフェアトレードコーヒーの販売を始めました。またコーヒーの生豆問屋である「ワタル社」によって全国50に及ぶ小中規模のコーヒー焙煎業者がフェアトレードコーヒーを扱うようになりました。

扱う企業が増えるにつれてフェアトレード製品の販売量も当然増えていきました。2002年にコーヒーと紅茶を合わせて約18トンほどであったのが、2003年には約35トン、2004年には100トンに近づく見込みです。しかしそれでも世界全体のフェアトレードの販売量が8万トン近くですから日本の販売量は、日本の市場の規模(世界第2位)に比べれば非常に少なく、フェアトレード製品の流通している先進国17国中で圧倒的に最下位であります。また日本人一人当たりが一年間でフェアトレード・ラベル製品に使う金額は2003年で約1円と、これまた最下位です。ちなみに最上位のスイスは1,820円と飛びぬけて高く、2位のイギリス(約300円)を大きく引き離しています。

諸外国に較べると、今はまだ本当に小さな日本のフェアトレード・ラベル運動ですが、これから大きく発展しようとしています。2004年7月現在、大手を含め、多くのコーヒー会社がFLOへの登録を申請中です。またコーヒーと紅茶以外でもバナナやサッカーボール、ジュース、ハチミツ、チョコレートなどが将来販売される動きがあります。またテレビやラジオ、新聞、雑誌などでもフェアトレードが扱われることが多くなってきました。このような大きな盛り上がりの背景には何があるのでしょうか。

これには日本社会でも「サスティナビィリティ(持続可能性)」や「持続可能な発展」と言われる考え方が注目されるようになったことがあると思います。経済のグローバル化が進み、先進国が途上国の資源と労働力を食い尽くし、先進国が圧倒的に富を所有するこの枠組みでは地球がもう「もたない」ことは誰の目にも明らかではないでしょうか。南北問題の解決、途上国の貧困問題のためには、従来のODAによる不透明で非効率的な方法でなく、私達一人一人が自分たちの生活を見直し、ライフスタイルを変えること、途上国の生産者の自立を支援することが必要だと考えるようになったからではないでしょうか。また有機栽培や環境になるべくダメージを与えない生産活動を推奨するフェアトレードは「環境保全」という観点からも「持続可能性」と密接に?がっています。

同じように「スローライフ」「ローハス」「グリーンコンシューマー」と言った「食の安心と安全」、「環境」、また「健康」を意識した新しいライフスタイルがフェアトレードを推進しています。また、どの国のどの地方の、どんな人たちによって作られたかがわかる「トレーサビリティ」のある製品を求める消費者が増えており、フェアトレード製品を選んでいます。

フェアトレード製品を扱う側の企業を見てみれば、昨今日本でも「CSR(企業の社会責任)」が声高に叫ばれ、企業も利益追求だけをしていれば良い時代が終わりました。企業は今、上記したような新しい消費者のニーズに対応するという受身ではなく、扱う商品の「トレーサビリティ」やその生産に「児童労働」や「搾取」などの「人権侵害」や、「環境破壊」が関わっていないかを管理する「サプライチェーンマネージメント(供給プロセス管理)」の観点から「CSR」として積極的にフェアトレードに取り組むことが求められています。

次号へつづく