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会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.16

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

◆8月の気象

降水日および曇天日が多かった梅雨は、例年、7月下旬ころ(関東南部)には明けます。それ以降、気象条件は一転し、8月下旬から9月上旬ころまで、日中の気温が30℃を超える真夏日や夜間の気温が25℃以上の熱帯夜が続きます。また、降水量が少なく、土壌が乾燥する時期になります。
8月の強い日照、高温多湿、土壌乾燥(水分不足)は、ブルーベリー樹の生育にとっては厳しい条件です。

◆8月の樹

(1)枝の伸長
8月、ブルーベリーの枝の伸長には、タイプおよび品種によって異なりますが、3つあります。1つは、4月から伸長を続けていた新梢が7月上旬ころに止まったもの(春枝)、2つはその春枝から夏枝が発生しているもの、3つめは、春から連続して伸長しているもの(シュート)があります。シュートは樹形に大きく影響します。
どのような枝にも、翌年、開花・結実する花芽が着きますから、折れたり枯れたりしないように大事に育てます。

(2)成熟期
果実の成熟期(収穫期)は、ある品種では過ぎています。しかし、別の品種(極晩生種)では成熟期は8月から始まり、およそ1ヵ月以上続きます。極晩生種では成熟期が遅いのはもちろんですが、果実は果皮および果肉が比較的強く、日持ち性のよいのが特徴です。
庭植えのブルーベリー樹が極晩生種(関東南部)でしたら、また、そのほかの地方で8月に成熟する品種をお持ちでしたら、涼しい午前中に摘み取り、安全で、おいしいブルーベリーの風味を楽しまれることをお勧めします。

◆8月の作業

最も重要な作業は灌水です。晴天が続くため、小まめに灌水して土壌の乾燥を防ぎます。
灌水量は、若木(3〜5年生)では1日5?、成木(6年生以上)では1日9?を目安として、3日間隔で施します。時間は早朝とします。
鉢植えの場合には、鉢量(鉢全体の容量)の20%を目安に朝(乾燥する場合には朝夕の2回)、灌水します。灌水の回数が多いと、当然、鉢用土の養分も不足してきますから、緩行性のIB化成を5〜7粒、鉢の表面におき、肥料分を補給します。

◆果実の利用

極晩生種にはポリフェノール含量を多く含むものが数多くあります。ブルーベリー果実のポリフェノールは、主として、アントシアニン(30〜40%)、クロロゲンサン(30%)、プロアントシアニン(20%)ですが、これらは「眼にいい」効果をはじめ、がん、糖尿病、循環器疾患、脳梗塞など、生活習慣病の予防効果が高い“抗酸化作用”成分です。

7月号に続いて果実の利用法を紹介します。

(3)冷凍貯蔵
ブルーベリー果実は、凍結あるいは解凍によって急激な酸化による変化が少ないのが特徴です。そのため冷凍貯蔵に適し、解凍時の組織軟化、果肉の崩れ、色調や香味の変化が少なく、すぐに加工利用できます。
ブルーベリーをそのまま防水容器に入れて凍結(マイナス20℃以下)で保存します。ポリエチレン袋使用の場合には1s単位として密封し、平坦に伸ばして積み重ねておきます。もう一つの方法は、沸騰した糖液にブルーベリーを1分間浸漬してプランチング(湯通し)を行い、取り出した後、冷たい糖液を入れて冷凍します。どのような使用目的でも最上の製品が得られます。

(4)ジュース
搾ったままのブルーベリー果汁は風味がきつく、酸っぱすぎ、また、収れん性があります。そのため、果汁含量40%、糖度14%前後、糖酸比30%のジュースが最も嗜好性が高いといわれています。
3倍に薄めて飲む濃厚ジュースの作り方を紹介します。
(1)果実1sをジューサーで搾り、果汁約600mlを得る。
(2)搾り粕は水(約200ml)を加えて加熱し、果皮からの色素を出し布でしばり、(1)に加える。
(3)ブルーベリー果汁に砂糖(約500g)を入れて加熱。目標糖度は40〜45%。これに、レモン3個分の搾り汁を加える。
(4)果汁の温度が85℃になったら、熱いうちに瓶詰をして栓をする(ホットパック)。
(5)殺菌は85℃の湯に15分間つける。
(6)製品は水で3倍に薄めて飲む。冷暗所におけば1年間保
存でき、おいしいジュースとなる。

次号へつづく