正しい食生活・健康・自然食品・伝統食品・食育・食養・ナチュラル・オーガニック他情報を提供します。

特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

特定非営利活動法人 全日本健康自然食品協会

リンク | サイトマップ

 HOME > これまでの会報 > 会報連載記事 > ブルーベリーの恵みvol.14

会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.14

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

◆6月の樹

6月は、日本列島(北海道は除く)は“梅雨”のシーズンです。関東南部では、梅雨は、例年、6月上中旬から始まり、7月中下旬ころまで30〜40日も続きます。
この梅雨は、日本の稲作文化の発展を支えてきた自然の恵みの一つといわれています。しかし、おいしい果実生産という視点では、大変厳しい条件です。

{1}枝(葉)の伸長は鈍る
6月、新しょう(春枝)伸長に変化がみられます。4月以降続いている新しょう伸長は、6月上中旬まではなお盛んですが、下旬になると伸長の程度が鈍り、品種によっては伸長が止まります。
枝の伸長が鈍り止まるのは、枝の成長点に生理生態的な反応です。それまで数が増えるだけだった葉は、枝の伸長が止まったことで面積を広げ、光合成活動を活発にして果実の肥大に必要な栄養分を作り、それとともに樹体に栄養分を蓄積するためです。さらには、伸長が止まった枝の先端から数節下まで、花芽を分化させるためです(分化時期はもっと遅くなりますが)。

{2}ある品種では成熟
(a)梅雨の特徴
品種によっては、6月上中旬から果実が成熟してきます(関東南部の例)。いわゆる、入梅とともにブルーベリー果実の成熟が始まってきます。これは、日本におけるブルーベリー栽培上の特徴(同時に課題)の一つです。
梅雨の期間中は、普通、雨の日・曇天の日が多く、ジメジメして空中湿度は高く、また、足元が悪いように土壌水分が多くなっています。各種の食べ物がカビやすい季節です。このように日照量が少なく高温多湿な条件は、糖度が高くて風味がのり、日持ちのよいブルーベリーを生産するためには極めて不利です。おいしい果実は、日照量が多く、適温で乾燥した気象条件のもとでつくられるからです。

(b)日本で生まれた栽培法
日本から、梅雨を無くすることはできません。しかし、梅雨の影響を少なくすることはできます。その方法として生まれた栽培法があります。一つは加温栽培(ハウス内で育て)で、入梅以前(ほとんど5月中)においしい果実を生産しています。もう一つは雨よけ栽培で、普通栽培(露地)樹に、梅雨の期間中、フイルムをかけ、雨が果実および樹に直接かかることを防ぐものです。
(c)店頭に出回る果実は少ない
極早生から早生種の果実が成熟(収穫)できるといっても、全体量が少ないため、店頭に出回ることはほとんどないでしょう。そんな時、庭植え(鉢植え)の樹であれば、一足早く“初物”を賞味できるはずです。“初物七十五日”といいます。

◆6月の作業

{1}潅水
6月は雨の日、曇天の日が多い梅雨の季節です。そのため、潅水が必要なのは鉢植えの樹だけです。潅水の間隔、潅水量は5月と同じです。

{2}施肥
5月号で施肥量および施肥の時期を細かく示しました。しかし、樹の生育状態によっては施肥が必要です。5月に施肥できなかった場合、あるいは樹勢(枝の出方が良くない)が弱い樹では、硫安を追肥してみてください。量は、鉢植えでは5?、庭植えでは10〜20?くらいです。およそ1週間以内に、葉の緑色が濃くなってくるはずです。

{3}病害虫防除
毛虫も成長していますから、老齢になってきます。庭植えで、管理が十分でなかった樹では、体長の大きい毛虫が株もとに近い枝に集団で付いています。怖いくらいですが、ゴム手袋をはめ、長い火箸などでつまみ取り、土を被せて圧殺してください。処理は男性にお願いしましょう。鉢植えの場合には、毛虫は付いていないと思います。
7月・8月はブルーベリーの“旬”です。果実の利用の仕方−ジャムやジュースの作り方−を取り上げます。

次号へつづく