
日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人
◆2月の作業
3月になると日増しに寒さが緩んできます。しかし、南北に長い日本列島では地方によって、また、同一場所でも上旬と下旬とでは気温に大きな開きがあります。九州地方では桜の開花がみられますが、東北北部や北海道ではまだ雪がありますから。
◆3月の樹
休眠していたブルーベリーの花芽は、関東南部では、中旬ころから急激に大きさを増してきます。この時期には、休眠打破のために必要な低温要求量は満たされ、花器(花冠、雄ずいや雌ずいなど)は全て形成されていますから、自然の温度条件が整えばいつでも発芽、開花できる状態になっています。お彼岸過ぎに暖かい日が続きますと、品種によりますが、開花するものもあります。
1.乾燥に注意
積雪のない地方では降水量は多くなりますが、それでも定期的に灌水する必要があります。5〜7日間隔で午前中にタップリ(鉢の上から溢れる程度、庭植えでは7〜10Lくらい)と灌水します。
2.春肥
関東南部以南では、3月中下旬が春肥えの時期(露地植えの場合)です。新根と新しょう伸長を促すために施します。8-8-8(N-P-K,Nは必ずアンモニア態チッソであること)の普通化成肥料を、樹冠下に輪状・放射状に施肥し土と混合します。施用量は樹齢によってかわり、植え付け2年目は20?、3年目は30?、4年目は50?と量を増やし、5年目以降は70?くらいにします。鉢植えでは、尿素入り1B化成10?(粒状、1ポットに)を表面におきます。灌水に合わせて溶けだし、効果は4〜6週間は続くでしょう。
3.剪定
果樹では、毎年、樹勢を健全に保ち品質の良い果実を安定して生産するために、古い枝を切除して新しい枝を出させる剪定が必要です。家庭果樹では3月の剪定(冬期剪定に含まれる)が勧められます。
◇剪定する枝
(1)障害枝病気や害虫の被害枝、枯れ枝。
(2)弱々しい枝(細くて5pくらいの枝)、下垂枝(地面に着くように垂れ下がっている枝)、逆行枝および交差枝(樹冠内部で混み合っている枝)など。
(3)株もとから発生して樹形を乱すような強い枝(株もとから太くて長い枝が多数発生し、また、地下を這って横に伸びる枝)。
◇剪定の種類
剪定には、その枝が伸長しているもと(基部もしくは分岐枝)から切除する間引き剪定と、枝の中途で切断する切り返し剪定の二つがあります。
ブルーベリーの花芽は枝の上部(先端から5〜10節くらい下まで)に着きますから、枝の中央部まで切り返しすると花芽を全て除去することになります。間引き剪定を中心にします。
4.庭植えの時期
関東南部以南の積雪のない地方では、3月下旬が春植えの時期です。
◇ブルーベリーの生育に適した土壌
ブルーベリーは繊維根(ひげ根)で浅根性です。また、土壌?が4.3〜4.8ですぐれる好酸性植物です。そのため、砂質がかかって軽い、酸性土壌が適地です。
◇手順
(1)樹間を2.5〜3.0?とる。
(2)植え穴は、深さが40〜50p、幅が70〜80pくらいに掘る。
(3)その穴に酸性ピートモス50L、モミガラ50〜70Lを入れ、良く混合して埋め戻す。
(4)穴の位置の上に盛り上げる。穴の中心を深さ10pくらいまで掘る。
(5)ポット苗の根をよくほぐして、広げて植え付ける。
(6)その後、直ぐに5Lくらい灌水をする。
(7)植え穴の上にチップをマルチし、苗木は支柱を添えて風揺れを防ぐ。
(8)花芽は取り除く。剪定の必要は特にない。
*植え穴に肥料は施さない。また、ピートモスを混合しているため、特に土壌酸性を矯正する必要はない。
*結実をよくするためには、2品種以上植え付ける。
5.鉢植えの適期
毎年、一回り(号)大きい容器に植え替えます。用土は、ピートモスを主体にし庭の土や砂、モミガラ、バークなどを混合したものがよいでしょう。
根を鉢から取りだし、丸まっている根をよくほぐし、内部の土を取り出してから(根は外側に伸長し、内部には余り入っていない)、新しい用土に植え付けます。根は多少傷んでも、その後の生育に支障はありません。枝の剪定などは特に必要としませんが、5p程度の短い枝に着いている花芽は除去します。
4月は、開花・受粉のシーズンです。花の色、形に変化があり、美しさに誘われます。