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会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.10

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

◆2月の作業

1.乾燥に注意
2月のブルーベリー樹は、1月に引き続き休眠中です。

庭植え、あるいは鉢植えで育てている場合、積雪のない地方(所)では、寒風による土壌の乾燥から根を守るため定期的に灌水する必要があります。関東南部では、およそ7日間隔で午前中にタップリ(鉢の上から溢れる程度、庭植えでは10?くらい)灌水します。もちろん、土が湿っている場合には必要ありません。鉢の表面に薄氷が張っても根に障害はみられません。

2.芽は春に向けて充実中
枝は低温にさらされています(積雪地帯では雪中にあるが)。しかし、1〜2月にかけての低温は、春になって枝となる葉芽と、花を咲かせる花芽の充実には必要な条件です。これを低温要求といい、1〜7.2℃の低温に遇う時間数で表します。低温不足で要求量が満たされない場合には、正常な発育および開花・結実しないからです。

3.寒害の季節
2月は、また、一年のうちで最も寒い(低温が厳しい)月です。地方によっては厳しい低温により花芽や葉芽、幹が障害を受けます。冬の寒さに対する耐性(耐寒性)は品種によって異なり、栽培地帯の北限を決定します。

◆品種選定

冬季は、ブルーベリーに関する各種の情報を集めましょう。ここでは品種について紹介します。

1.タイプの選定
ブルーベリーは全国どこでも育てられるのが大きい特徴ですが、タイプと品種を正しく選定してのことです。

関東南部では三つのタイプを育てることができます。

a.ノーザン(北部)ハイブッシュブルーベリー
低温要求量が800〜1,200時間で長く、耐寒性があります(冬季の最低極温が−20℃以上)。日本での栽培は北海道、東北地方から関東、北陸、中部地方を経て九州北部地方まで広がっています。

b.サザン(南部)ハイブッシュブルーベリー
低温要求量が400時間以下で、耐寒性が最も弱いのが特徴です。冬季が温暖な地方が適地であり、関東南部(最低極温が−10℃以下にならない)から以南の地方で栽培されています。沖縄でも育てられます。

c.ラビットアイブルーベリー
低温要求量は400〜800時間であり、耐寒性も弱いため、サザンハイブッシュ地帯が適地です。東北南部の積雪地帯から関東以南、九州南部まで栽培できます。

2.品種の選定
今日、日本で栽培(試作)されている品種は100を越えています。

a.選定の視点
家庭で育てる場合には、次のような視点から品種を選定するとよいでしょう。

 i.成熟期(関東南部の場合):大きくは、
  (1)早生(6月上旬〜中旬)、
  (2)中生(6月下旬〜7月中旬)、
  (3)晩生(7月下旬)、
  (4)極晩生(8月上旬以降)の4つに分けられます。
  極晩生の品種はラビットアイに限られます。

 ii.樹性(低温要求量、耐寒性、枝の伸長など)

 iii.果実形質(大きさ、果柄痕、風味、日持ち性)

これらは品種の基本的な特性ですから、種苗案内や家庭果樹の本でも容易に確認できます。

b.勧められる品種
生食して糖と酸が調和しておいしい品種を選んでみました。灌水や施肥など十分な管理をすれば、素晴らしい風味を楽しめるものばかりです。

(1)早生:アーリーブール・コリンス(ノーザンハイブッシュ)
オニール・スター(サザンハイブッシュ)

(2)中生:エチョータ・ブルーレー(ノーザンハイブッシュ)
サファイア・リベール(サザンハイブッシュ)

(3)晩生:コビル・ブリジッタ(ノーザンハイブッシュ)
オザークブルー・サミット(サザンハイブッシュ)

(4)極晩生:ブライトウェル・パウダーブルー(ラビットアイ)

いずれの品種も、開花時期は4月中旬からはじまり、3〜4週間続きます。受粉・結実をよくするためには、2品種以上植え付ける(育てる)ことが重要です。

次号へつづく