
日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人
ブルーベリーは果樹です。いったん植え付けたら、同じ場所で長年にわたって生育することになります。上手に育てる基本は次の四つです。
(1)品種の選定が良い、(2)気温や降水、霜などの気象条件が良い、(3)根を伸ばす土壌条件が良い、さらに(4)栽培知識と技術を持っている。これらが全部そろって初めてブルーベリー樹の健全な生育を促し、安全で、おいしい果実を収穫できるからです。
これから、しばらくの間(1年間の予定ですが)、家庭で楽しむブルーベリーの育て方について紹介します。
1.果樹としての特徴
いま一度、ブルーベリーの特徴を整理しておきます。
(1)品種を選べば、北は北海道から南は九州・沖縄まで全国どこででも育てられる。
(2)樹はブッシュ状で低木性(樹高はおよそ2?前後)、落葉性。
(3)根はひげ根(細くて軟らかい根)で浅根性(根の伸びる範囲が浅くて狭い)である。そのため、砂質がかった軟らかくて水はけのよい土壌で生育がすぐれ、粘質な土壌で育てることは難しい。
(4)土壌?は酸性(? 4.3〜4.8)を好む。スギナが生えているような土壌?がよい。
(5)土壌の乾燥に弱いため、庭植えでは3〜5日ごとの灌水、鉢植えでは毎日の灌水が必要。また、庭植えでは有機物マルチが必要。
(6)樹姿、花、果実および紅葉は美しく観賞性にすぐれる。
(7)家庭で育てる場合(管理が行き届いていれば)、無農薬栽培あるいは有機栽培が可能である。
2.果実の特徴
果実は、次のような素晴らしい特徴を持っています。
(1)果皮や種子も含めて、丸ごと生で食べられる。
(2)糖−酸が調和して爽やかな風味。
(3)果皮の明星色は「目にいい」アントシアニン色素である。「生活習慣病予防効果」のある抗酸化性が高い。
(4)ソフト果実といわれるように収穫後の日持ち性、貯蔵性が劣る。
(5)果実の利用用途が広い。生食が中心であるが、ジャムやジュースなどの原料、菓子や料理の素材になる。
3.家庭で育てる楽しみ
ブルーベリー樹が数本でも家庭にある生活から−庭植えでも鉢植えでも−育てる楽しみ、花や果実・紅葉を愛でることができます。さらに、果実を食べる楽しみ、利用する楽しみ、その上で心身ともに健康になることの喜びがあるはずです。
4.樹の年間の生長と重要な管理
ブルーベリー樹は、毎年、季節ごとにハッキリと区分けできる生長を重ね、年々、樹齢を重ねていきます。樹の一生は次のように区分されます(庭植えの場合)。
次に、毎年の生長とそれに合わせて行うべき重要な管理作業を示しました(表1)。
5.1月の作業
(1) 1月の特徴
1月は、休眠期間中です。枝に葉がなく寒さ(低温)にさらされています。しかし、春になって花を咲かせる花芽は芽の内部で少しずつ変化しています。花芽が正常に開花し、結実するためにはこの寒さを一定量受ける必要があります。これを低温要求量(1〜7.2℃の低温に遇う時間数)といい、時間数は品種によって違います。
(2) 乾燥に注意
根も枝も芽も生きています。土を乾かさないように注意が必要で、7日間隔で、朝方にタップリと(鉢の上から溢れる程度、庭植えでは10?くらい)灌水するのが基本です。もちろん雨があり、土が湿っている場合は必要ありません。鉢の表面に氷が張っても障害はありません。
(3) 各種の情報を集める
ブルーベリーには、樹、花、果実の大きさ、風味など、魅力的な品種が沢山あります。また、栽培技術についても知っておくべき情報があります。品種、自分の地域の気象条件および土壌の特徴、さらには果実の食べ方などについて調べておくのはこの月です。
次号では、品種選定の基準と剪定について紹介します。