正しい食生活・健康・自然食品・伝統食品・食育・食養・ナチュラル・オーガニック他情報を提供します。

特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会

特定非営利活動法人 全日本健康自然食品協会

リンク | サイトマップ

 HOME > これまでの会報 > 会報連載記事 > ブルーベリーの恵みvol.8

会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.8

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

◆ブルーベリーの形態的特徴(3)

引き続いて花および果実の形態的特徴を概説します。

(4) 花
 (6) 小花の構造
ブルーベリーは完全花ですから、一つの花に雌ずい(雌しべ)と雄ずい(雄しべ)があります。

雌ずいは小さい柱頭(花粉を受けるところ)を持った糸状の花柱と子房からなります。雄ずいは8〜10個あり、花冠の基部に差し込まれて花柱の周りに円状に密に着いています。葯(花粉が詰まっている)と花糸からなり、花柱よりも短いのが特徴です(写真1)。

雄ずいが花柱よりも短いのは、自家受粉を避ける目的に合致したものです。

 (7) 子房(花の内部)
の中央部は子房であり、その内部は4〜5つの子室に分かれます(図1)。子室には数個の胚珠が含まれています。胚珠は、成長して種子になります。

 (8) 受粉と受精、結実
開いた花が果実になる(結実する)ためには、受粉・受精が必要です。

 (a) 二種類の受粉と受精
雌ずいの柱頭に花粉が付着する現象を受粉といいます。受精とは、受粉した花粉が発芽して伸長した雄核が、卵細胞に入って卵核と胚乳核とに結合することです(これを重複受精といいます)。さらに、受精して実になることが結実(実止まり)です。したがって、受粉と受精、結実には同一品種の花粉による自家受粉(受精、結実)と、異なる品種の花粉が付着する他家受粉(受精、結実)の二つがあります。すなわち;

両性の核が合体しても受精しない場合、また、受精しても種子にまで発育しないこともあります。この場合、結実しないことはもちろんです。

 (b) 他家受粉が必要
ブルーベリー栽培では、他家受粉が基本です。他家受粉によって、自家受粉の場合よりも結実率が高まり、果実は大きく、成熟期も早まります。そのため、同一園(庭植えでも鉢植えでも同じ)には、必ず二品種以上が必要です。受粉は主にミツバチがしてくれます(写真2)。

庭に植えた二本とも結実が悪いがどうしてか、という質問をよく受けます。その場合、たいていは同じ品種です。二本(樹)と二品種は全く意味が違います。

自家受粉で結実が劣るのは、健全な子孫を残すために果樹(ほとんどの生物)が持っている特性からです。近親交配を避けるためであるといわれています。

(5) 果実
 (1) 果実の構造
花のいろいろな部分は、果実のどの部分にあたるのでしょう。ブルーベリーの果実は、花托と子房が発達したものです(図2および写真3)。

果実は、芯の部分と果肉部に分けられます。芯は種子をガッチリと守る構造になっています。種子は50粒前後ありますが、小さくて軟らかいため、風味を損ねることはありません。

果肉部は、種子が生長するために必要な栄養分を蓄えるところです。すなわち、果肉部には新しい生命の誕生(種子の発芽)に必要な栄養分の全てが−炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミン類などが含まれています(各栄養分の量は果実によって異なる)。

 (2) 果実を食べること
人間が果実を食べることは、結局は、風味を楽しみ、種子に必要な栄養分を摂取して健康の維持増進をはかっている、ということです。果実の利用は生食が基本といわれるのは、全ての栄養分を取ることができるからです。
果皮を剥くことなく、種を出すことなく、丸ごとたべられるのがブルーベリーの最大の特徴です。

*果実の形態的な生長(肥大)、成熟期に入った果実の着色段階、果実の成分などについては、予定を変更して、本誌の8月号で紹介しました。参照してください。また、根の形態について、専門に過ぎますので省略します。

次号からは、家庭で育てる場合のポイントを順を追って紹介します。

次号へつづく