
日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人
◆ブルーベリーの形態的特徴(2)
(4) 花
(3) 花序
ブルーベリーの花芽は、新梢の先端が伸長を止め、頂芽位置を占めることになった側芽と、それに続く下方数節の側芽が分化したものです(頂側性花芽といいます)。
また、枝上では花芽と葉芽が別々の位置に付きます(純正花芽といいます)。一つの花芽は10個前後の小花を含み(総状花序)、花房となります。
剪定は樹形を整え、良品質の果実を成らせるために必要ですが、このような特徴を知らなければできません。たとえば、新梢の中央部から切り詰めると(切り返し剪定)、残った枝には果実が着かないこともあります。
(4) 小花
ブルーベリーの花といった場合には、小花を指します。小花(花冠)にはいくつかの形がありますが、多くは球形、倒置形の鐘形、つぼ形、管状形などをしています。
花冠の色はたいていは白かピンクです。蕾の段階では、鮮やかな紅色を呈する品種があります。花の色合いを写真でお見せできないのが残念ですが、美しく清々しい姿は魅力的です。
ブルーベリーを育てる楽しみは、一般的にはおいしい果実を獲ることにありますが、花を愛でる、楽しむことを目的にしている人達も大勢います。
(5) 開花
いよいよ開花です。ブルーベリーの開花時期は、関東南部では、4月上旬から5月上旬まで続きます。これは、1品種および1樹全体の開花初めから開花終わりまでの期間ですが、一つの小花の開花期間はおよそ7日くらいです。
小花の開花は、同じ枝では枝の先端の花房が最初に開花し、下位の花房では開花が遅れます。同じ花房内では基部の小花から開花して先端部の小花が遅くなります。すなわち、花芽分化の順序とほぼ一致しています。
開花期間が長いことは、ブルーベリーを育てる上では一大長所です。たとえば、花の期間が短い果樹では強風や強雨、晩霜などの災害を受けた場合には結実不良となり、その年の収穫は望み薄です。しかし、ブルーベリーでは、災害の前後に開花した花は結実するため、全体として収穫皆無というようなことはありません。開花期間中のおよそ30日間、連続して気象条件が不良ということは考えられないからです。また、花を愛でる期間が長くなります。
花の鑑賞性に着目して、景観植物として植え付ける例も増えてきました。「ブルーベリーの花見」が観光の目玉になることも予想されます。次号では小花の構造、受粉・結実について概説します。