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会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.6

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

8月号では予定を変更して「旬のブルーベリー」のテーマで、おいしい果実を選ぶコツを紹介しました。9月号からは育てる楽しみ" に戻り、ブルーベリーのタイプ(種類)を挙げました。この号では、形態的な特徴について概説します。

◆ブルーベリーの形態的特徴(1)

樹を健全に育て、風味があっておいしく、健康にすぐれた果実を成らせるためには、樹の形態的特徴を知らなければなりません。樹姿・葉・花・果実および根の形態は果樹によって異なります。

{1} 樹姿
樹姿は樹高・樹冠幅・樹形に分けられ、果樹の種類や品種によって違います。これらの特性は栽培上極めて重要であり、苗の植え付け間隔、剪定、果実の収穫、その他の栽培管理法に大きく影響します。例えば、カキ(柿)は1本の主幹であり、樹高は3?以上になります。一方、ブルーベリーでは主軸枝は6〜8本であり、樹高はおおよそ2?以下、樹冠幅は最大でも3?くらいです(写真1)。

{2} 枝
枝の伸長について1年周期でみてみましょう。
・3月下旬−崩芽(葉が縦に丸まって先端が尖った形になる)。
・4月上旬−開花初めのころ、1〜2pの長さとなって葉芽が開きます。
・4月中旬−満開時に(開花2週間後くらい)は、新しょうの長さは3〜5pになり3〜5葉着けています。
・6月中、下旬〜7月上旬−果実の成熟期。新しょう伸長が止まる(春枝という)。
・8月−果実の成熟期。春枝から夏枝が伸長。
・9月−夏枝から秋枝が伸長(望ましくない)。
・10〜11月−紅葉。

ブルーベリー樹は年に2〜3回枝を出しますから、施肥 や潅水の適切な時期の見極めが重要です。例えば、施肥が 遅れて9月に効果が出ると冬季の低温害を受けやすい秋枝 の発生が多くなります。

{3} 葉
ブルーベリーの葉は単葉で、枝上に交互に着生します。多くは落葉性です。葉の大きさは多様ですが、一般的にハイブッシュでは大きく8pくらいになり、ラビットアイは小型です。また、葉の形は、狭長だ円形から卵形まで変化しています。

家庭果樹として楽しむ場合、あるいは景観植物(果樹)として植え付ける場合には、秋の紅葉が楽しみの一つでしょう。ブルーベリーは、平地でも(いわゆる高山でなくても)真紅から黄色まで美しく紅葉します(写真でお見せできないのが残念です)
葉の形態は植物分類学上極めて重要ですが、ここでは省略しました。

{4} 花
(1) 花芽を着ける枝
ブルーベリーでは枝の種類(春枝〜秋枝)、枝の長さの長短に関わらず、ほとんどの新しょうに花芽を着けます。普通、40p〜1?以上の枝には10〜20芽、5pほどの短小な枝にも1〜2個の花芽を着けます。

(2) 花芽は果実成熟期間中に分化している
花芽分化は、新しょう伸長が止まってから数週間後に始まります(普通、7月中下旬から9月中旬まで続く)。枝の先端とそれに次ぐ数節に球形をした花芽として分化し、それよりも下の節には尖った葉芽(枝芽)が着きます。いわゆる、本年の果実の成熟期間中に、翌年、開花・結実する花芽ができつつあるのです。ここが、果樹が他の1年生の作物と大きく異なる点です。生育相が複雑であるといいます。

花芽の分化後は、次々と花器(花の各部分)が発生し、ほとんどの花器は11月の終わりまでには観察できます。花芽は季節が進むにしたがって肥大し、典型的な形の球形になり、葉芽は長くて尖った形になってその区別は容易につきます。その後、翌年の2月ころまで花芽の大きさはほとんど変わりません。

3月になると芽の大きさが増大し4月初めから開花が始まり、4月中旬に満開となります(写真2)。

次号へつづく