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会報連載記事

ブルーベリーの恵みvol.5

日本ブルーベリー協会 副会長(元千葉県農業大学校研究学科主幹) 玉田 孝人

◆ブルーベリーの特徴

前に挙げたブルーベリーの3種について、その特徴の一部を略説します(栽培上の特徴については、章を改めて解説します)。

2.ハイブッシュブルーベリー
アメリカ北東部(ニュージャージー州からマサチューセッツ州、西はミシガン州まで)に自生している種(V.corymbosum)の改良種です。アメリカ連邦農務省が生食用の品種改良に着手して以来、今日までの100年近い歴史の中で生まれてきた多数の品種群です。果実は大きく、果色は明青色で、糖酸が調和しておいしく、果皮が強くて日持ち性がすぐれた品種が多数育成されており、栽培ブルーベリーの中心をなしています。

なお、栽培地を冬季が温暖なアメリカ南部諸州に広げるために改良されてきた品種群もあるため、次の二つのタイプに大別しています。

・ノーザンハイブッシュブルーベリー
 (Northern highbush blueberry)
・サザンハイブッシュブルーベリー
 (Southern highbush blueberry)

すなわち、ノーザン(北部)ハイブッシュの栽培適地は冬季は寒く、また、夏季が比較的冷涼な北部地帯です。他の果樹でみるとリンゴ栽培地帯が適地です。日本における栽培適地も同様です。

一方、サザン(南部)ハイブッシュは冬季の低温に弱いため、冬季が温暖な地帯が適地です。日本における栽培は関東南部から以南の地方に適しています。

果実の成熟期は、東京では、両タイプともに、6月中旬(早生種)から7月下旬(晩生種)まで続きます。

3.ラビットアイブルーベリー
ラビットアイブルーベリーは、アメリカ南部のジョージア州やフロリダ州の大きい河川沿いや湿原にかけて自生していた種の改良種(V.ashei)です。品種改良の始まりは遅く、1940年からです。ノーザンハイブッシュと同様に生食用の改良が主であり、果実品質が優れた品種が多数育成されています。

樹勢が強いため比較的栽培が容易であり、冬季が温暖な地帯で栽培できるのが特徴です。日本では、関東南部以南の地方に適しています。果実の収穫期はハイブッシュ以降となり、7月下旬〜8月上旬から始まり、9月上旬まで続きます。

4.ローブッシュブルーベリー
ローブッシュブルーベリーはアメリカ北東部地帯(メイン州が中心)からカナダ南東部一帯(ノバスコシア州が中心)にかけて広く自生しています(V. angustifolim とV.myrtilloidesの二種)。

別名、ワイルド(野生)ブルーベリーといわれるようにあくまでも自生種であり、植え付けられてはいません。自生地は、大自然の中にあってバレン(荒地)と呼ばれる小石混じりの高台や高原地帯です。しかし、品質のすぐれた果実を安定して採集するために、施肥や灌水などの管理は行われています。

果実は生食としての利用は極めて少なく、ほとんどは採集後冷凍貯蔵されます。凍果は世界各国に輸出され、ジャムやジュース、ワインなど各種の加工品の原料となり、ブルーベリーの加工食品産業を支えています。日本は大消費国であり、年間、1万トン近くが輸入されています。

野生であるから栄養成分が少ないとか、加工品の風味が劣るということはありません。本誌5月号に示した“食べる楽しみ”の各表(表1〜3)の結果からも明らかなように、すぐれた果実特性を持っています。

次回は、ブルーベリーの形態的な特徴について取り上げます。

次号へつづく